左官 Y邸vol.05
内外共に仕上工事に入っています。 雪がちらつき始めましたので最近は曇り空が多いですが、この日の午後は青空です。 内部はタイルや漆喰系の左官工事が多い仕上になっています。 何人かの左官職人さんで進めると思っていましたが、ひとりで黙々と進めていきます。 この時期の左官工事は十分に採暖して進めて乾燥させる必要がありますが、 乾燥が早すぎると割れの原因にもなりますので、温度と湿度の管理には注意が必要です。 内部のアール状の壁に貼られるタイルに繋がる漆喰は左官屋さんの腕の見せどころ。 一方その壁に取り合う目スカシで貼られる天井は、大工さんの腕の見せどころです。 外部は杉板が貼られていきます…半分ちょっとまで進んだでしょうか。 大工さん達のために…本格的な冬の始まりはもう少しだけ待ってもらいたいものです。 さあ、完成まであとすこしです。
建て方 T邸vol.02
天気が変わりやすい秋の栃木県ですが…建て方が始まりました。 いよいよ家の形が現れてくる楽しい瞬間です。 材料が搬入されて、土台を敷き、柱を建て、梁を掛ける…それが数日の間で進みます。 その早さにはいつも感心してしまいます。 北海道から送ったアカエゾマツの柱も無事に納まりました。 場所は離れていても現地の大工さんや業者さんがしっかりとサポートして下さいます。 屋根ではタルキが組まれ、野地板を貼っていきます。基本的には道内と同じ仕様で進めます。 軒天の様子を確認します。野地小幅板がそれぞれの表情で並び、タルキ、モヤがそれを支えます。 あらためて人の目線の高さで少し離れた場所からの見え方を確認していきます。 工事はこのあと各所の下地が進められ、断熱工事、内外装工事が進んでいきます。 画像は上棟の際に施主様から頂いたお菓子です。 とてもかわいかったので迷いましたが…シッポからおいしく頂きました。 ありがとうございました。
アングル Y邸vol.04
しっかりと断熱材が吹き込まれ、シートが貼られ、下地が組まれました。 あとは外壁材が貼られるのを待つばかり…すっかり秋になりトンボも飛び始めました。 この段階になると…個人的な趣味もありますが、出来上がりの姿の想像と合わせて、 完成写真を撮る際のアングル探しをしてしまいます…ここは何ヶ所も撮影ポイントがありそうです。 本日は快晴…撮影には絶好の天気と思われがちですが、光が強い分、影もまた強くなります。 このアングルは撮影時間を変える必要がありそうです…写真はタイミングもそして運も必要ですね。 北海道らしい澄み切った秋の空は爽やかでした。 この青空の回数が減って、グレーになる回数が増えてくると冬が始まります。 本格的に雪が積もるまでに外部工事を終わらせて、内部の仕上工事に入ります。
始まり T邸vol.01
8月、新たな家づくりが始まりました。 場所は栃木県。若いご夫婦と息子さん3人の住まいです。 ここ最近は東川近郊の森に近い場所での家づくりが多いのですが、今回は道外の市街地です。 栃木県からかなり離れた場所への家づくりの依頼は不安があったと思いますが、依頼して頂いた事に 感謝しつつ、お引渡しまで安心して家づくりを楽しんで頂けるように進めたいと思います。 この日の気温は34度ほど…やはり北海道とは暑さの種類が違います。 この気温での外作業は厳しいですが、職人さん達はテキパキと作業を進めていました。 みなさん厚着で作業しているのが不思議だったのですが、扇風機(ファン)付きのベストを着て 体温を調整しているとの事でした。あっという間に基礎の型枠が取り付けられていきます。 この辺りは古くからの住宅街で地盤はしっかりしていますが、敷地内で少しバラツキが ありましたので、地盤改良をした上で全面コンクリート床で荷重を支える基礎としました。 配筋も進み、基礎の形が見えてきました。北海道ではそれぞれの地域で凍結深度が設定され 冬期の地盤凍結による基礎の盛り上がりを防ぎますが、栃木県では設定されていないようです。 基礎工事に並行して東川では材料選び…LIVINGのアカエゾマツの柱150角です。 年輪を見て気づかれた方もいらっしゃると思いますが…私達よりもかなり歳上の柱です。 無垢材は環境の変化で割れが出ますので、伸縮を吸収する背割りを入れ、設置面を決め加工に入ります。 まずはしっかりとした家の土台を作ります…来年初めのお引渡しに向けて家づくりが始まりました。 少し話題は変わりまして…下の画像は今回滞在した仙台の様子です。 同じ通りにガラス張りの現代的な建物と歴史を重ねてきた建物が共存しています。 樹木や緑地帯がある道路が多く、朝で人通りが少ない事もあってとても雰囲気の良い街並みでした。
空と雲 Y邸vol.03
前回のブログでご紹介した作業を経て完成した材料たちは、新たな場所で新たな役割を持ち始めました。 刻みで描いていた手板(ていた)を確認しながら、一週間ほどで家の形が現れてきます。 内部から見ると木と木、柱と梁の関係がよく分かります。 中央付近に見えるひと廻り大きな柱は、家の中心となるカバ材の心柱。 下地工事に入ると、もう手板の出番はありません。 壁には間柱、床には大引、根太が、それぞれの場所に規則正しく納まっていきます。 外部では断熱材を吹き込む作業が始まりました。 しっかりと詰め込んで、冬の寒さと夏の暑さに備えます。 敷地にはそれぞれの雰囲気や特徴がありますが、 ここは空がとても広くて、雲がとても綺麗に流れるところだと思いました。 空も雲も夏から秋へ移り変わりつつあります。
刻み Y邸vol.02
前回のブログで墨をつけた部材に、ほぞ穴を開け、仕口を作っているところ。 単純な機械と、ノコギリ・ノミなどの手工具を使って加工していきます。 墨に沿って、丁寧に加工しています。 最後に角を斜めに削って、ほぞの完成。 位置を表す文字に、伝統を感じます。
手仕事 Y邸vol.01
現在、旭岳を望む眺めが抜群の土地に、一棟の住宅を建築中です。 大工の手仕事が輝く、墨付けや手刻みの様子からお伝えしていこうと思います。 柱や梁といった構造材、家具製作に使うものと同じ機械に通して厚みを揃えていきます。 家具とは違うスケール感に圧倒されながらの撮影。 柱の位置やその関係性を把握し、仕口を刻む部材や位置を確認していきます。 熟練大工の道具の美しさに見惚れてしまいます。 良い仕事は良い姿勢から、と言葉は無くとも教えていただいたような気持ちに…。 大工さんの頭の中では、すでに家の形ができているのでしょう。
一棟の家が完成しました。
窓を開けて気持ちよく過ごせる季節がやってきました。 あっという間に過ぎ去る北海道の夏の始まり。 この度もまた、一棟の家が完成いたしました。 1階には正面の庭が眺められる窓際にソファが置かれ、 人が集まる場所となるLIVING・DININGからKITCHENまで、一続きの気持ちの良い空間があります。 限られた敷地の中でどのようにプランをまとめるか計画する段階で、 1階のトイレと階段の上り方についてはお客様と何度となく話し合い、このプランが出来上がりました。 北の住まい設計社の工場で作られたオリジナルのキッチンは、北海道産のナラ材を使い、 ステンレスと組み合わせることで、長くその色と素材の良さを味わえると期待しています。 1階のトイレの横に、小さな手洗いを作ることにしました。 コーリアントップの洗面台は、色ムラのある床のタイルやナラ材と合わせて柔らかい印象です。 2階の寝室にはこのような大人のスタディルームを作りました。 2階の子供部屋は、アクセントになるよう、窓のある壁の一面だけグレーの壁紙を貼りました。 建物は完成を迎えましたが、ただ今庭造りの最中です。 庭造りは大変大切なことであると考えております。 庭は自然と調和したものであり、数年の四季を経過しなくては、完成しないものと考えています。 私たちは、このように数年かけて土・水・石そして木・草・花の力を引き出して、 家とその環境である庭を作ってこそ、美しい家として住まいが完成すると考えています。 ご紹介した家は、まだこの世に姿を現した最初の姿。 これから良い姿となるよう、私たちも協力してゆこうと思っております。 今、私たちの家づくりは、家の構造・素材・断熱性能において、最高の性能であること。 練りに練ったプランを、更にお客様とのコミュニケーションで進化させて、 住まわれる方の理想を実現することであると考えています。 初めて家を建てられる方がほとんどですから、私たちが培ってきた家づくりの立場から、 できる限り多くの素敵さをアドバイスすること、住まいの快適さを提案すること、そのプロセスを大切にして、 ともに作り上げてゆく家づくりを実現しようとしています。 家づくりのプロとして、喜んでいただけることの提案と、その積み重ねが良い家としての完成形となると信じております。 北の住まい建築研究社・北の住まい設計社 渡邊恭延
森の中の平屋、秋の深まりとともに
東川は紅葉が色づき、晴れの日は白くなった旭岳が見られる季節になりました。 森の中の平屋が、秋の深まりとともに完成へと向かっています。 現場では大工さんが下地から仕上げへ移ってきました。 天井にはボードが貼られ、だんだん部屋の形が見えるように。 部屋の入口にはオリジナルの引戸が取付けられ、ここからは一気に「家」らしくなります。 外壁の断熱材は合計290ミリのロックウール。 11月完成を目指し、工事はいよいよクライマックスを迎えます。
森の中の平屋、進行中
前のブログで上棟式の様子をお伝えした住宅が、着々と進行中です。 雨が続いていたせいか、森の草丈がぐんと伸びて、建物は埋もれて見えます。東川はススキの穂がそよぐ季節になりました。 リビングダイニングに現れる広葉樹の大黒柱と梁が、この家の見どころの一つです。 古いクリの梁材は、厚沢部の森で育ったもの。 鈴木木材さんが自然の曲がりを生かして製材し、ゆっくりと風に当てながら大切に保管されていたものを東川へ。 そして大工さんがバランスを見ながら手加工し、ようやく現場へ据え付けられたものです。 この梁が過ごしてきた年月と、この先過ごされるだろう年月思うと、ただただ圧倒されます。 上棟式のときにとった家族みんなの手(足)型も固まったようです。 家づくりの記念としてはもちろんですが、それ以上に家族のあたたかさがつまった宝物のように感じます。 大工さんたちも、これを見るたび、道具を握る手に力が入るのではと思います。